GraceRaymondHebardJuneE.Downey
With An Account Of The Travels Of Toussaint Charbonneau And Of Jean Baptiste, The Expedition Papoose.
グレース・レイモンド・エバードによる本作は、歴史の濁流に消えかけた一人の女性、サカジャウィアに鮮烈な命を吹き込んだ魂の叙事詩です。単なる探検の随行者という枠を越え、過酷な荒野で母性と強靭な知性を武器に運命を切り拓く彼女の姿は、静かながらも圧倒的な威厳を放ち、読者の胸を激しく揺さぶります。 著者の執念とも言える緻密な調査は、同行した家族の足跡までをも鮮やかに再現し、国家の黎明期における個の尊厳を浮き彫りにします。彼女の沈黙の裏にあった誇りと苦悩を、これほどまでに気高く描き出した作品は他にありません。歴史という名の冷徹な記録を、人間愛に満ちた極上の文学へと昇華させた珠玉の一冊です。