本作の真髄は、王道のSFサバイバルでありながら「救世主」という呪縛に囚われた少年の歪んだエゴを容赦なく暴き出す、残酷なまでにリアルな人間ドラマにあります。内山昂輝が演じる主人公の独善的な正義感と、それに反発する周囲の冷ややかな視線。この絶望的な温度差が、極限状態における人間の本質を浮き彫りにし、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。
白組による高精細な3DCGは、異形の敵の不気味さと、メカアクションの重量感を圧倒的な臨場感で描き出します。予言された使命感ゆえに孤立し、もがきながらも真の英雄へと変貌を遂げる葛藤のプロセスは見事の一言。谷口悟朗監督らしい、社会の縮図としての集団心理描写と、自らの手で未来を掴み取ろうとする意志の力に、誰もが胸を熱くするはずです。