あらすじ
マフィアの支配する街エルガストルムで宅配から殺し、護衛に人探しまで何でも請け負う“便利屋”を生業にするウォリックとニコラス。2人は警察やマフィアからも一目置かれ、どの組織にも所属しない中立な存在として様々な依頼を引き受けてきた。ある日、警察から舞い込んだ依頼で、1人の娼婦と出会う。閉ざされたこの街でしか生きられない健常者(ノーマル)達と『黄昏種(トワイライツ)』と呼ばれる超人的な能力を持つ者達。つながり続ける、過去と現在。重なり合う、使命と運命。――2人と1人が出会った時、街の混沌は加速する。
作品考察・見どころ
本作の魅力は、マフィアと汚職が蔓延る退廃的な街を舞台に描かれる、狂おしいほど切ないハードボイルドな世界観にあります。光の届かない路地裏で生きる者たちの葛藤と、社会の境界線に立つ「黄昏種」という存在を通じた差別や共生という重厚なテーマが、残酷なまでの美しさで描き出されています。
津田健次郎と諏訪部順一による魂の共鳴とも呼べる演技は必見です。手話と呻きで感情を紡ぐニコラスと、闇を抱えるウォリックの絶妙な距離感が、ジャジーな劇伴と相まって唯一無二の色気を放ちます。絶望の中で一瞬だけ輝く人間味の欠片を拾い上げるような、濃密な映像体験に必ずや胸が熱くなるはずです。