株式会社新潮社は、1896年の創業以来、日本文学の黄金期を支え続けてきた老舗出版社の雄です。「新潮文庫」をはじめとする膨大な文芸資産を背景に、映画業界においても極めて質の高いコンテンツ供給源、および製作主体として確固たる地位を築いています。同社の強みは、太宰治や三浦しをんといった時代を超えて愛される作家たちの傑作を、単なる原作提供に留めず、その文学的本質を損なうことなく映像へと昇華させる卓越したプロデュース能力にあります。
『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』や『しゃべれども しゃべれども』といった作品に見られるように、人間の心理の機微や情緒豊かな風景を丁寧に描く文芸映画を得意としており、観客に深い余韻を残す格調高い物語を提供し続けています。流行に左右されない普遍的な価値を持つ物語を、確かな審美眼で世に送り出すその姿勢は、映画ファンのみならず、映像制作の現場からも厚い信頼を寄せられています。出版と映像のシナジーを最大限に活かし、日本の文化芸術を牽引する重要なプレイヤーと言えるでしょう。