あらすじ
男だけど可愛いものが大好きで、女の子の姿で高校生活を送る“男の娘”・花岡まこと。ある日の放課後、まことは、“女の子だと勘違いしたまま”の後輩女子・蒼井咲に告白をされる。「実は自分は男の子なのだ」と打ち明け、告白を断るまこと。しかしまことの予想に反し、咲はあきらめるどころか、「男女両方の先輩が楽しめる」とテンションアップ!さらに、「私が先輩の初恋の人になってみせます」と宣言して……。可愛いものが大好きな、まこと。まことに恋をする、元気いっぱいの後輩・咲。まことを近くで見守り続けてきた、幼馴染の竜二。3人の、恋と友情と、成長の物語がはじまる――。
作品考察・見どころ
本作が描くのは、性別という既存の枠組みを軽やかに、かつ切実に超えていく「個」の輝きです。可愛らしい装いの裏側に潜むのは、自分を貫く痛みとそれを受け入れる他者の強さという、普遍的で骨太な人間賛歌。梅田修一朗らキャスト陣の繊細な演技が、揺れ動く内面を鮮烈に描き出し、観る者の心の深淵に優しく触れてきます。
原作のwebtoonが持つ柔らかな色彩を、映像ならではの光の演出と「間」の表現へと昇華させている点も白眉です。静止画では零れ落ちていた微細な表情の変化をアニメーションが補完することで、葛藤はより立体的なものとなりました。人を愛することの本質を問い直す、今こそ観るべき珠玉の青春群像劇です。