あらすじ
関口加代(沢口靖子)は38歳、大阪高級料亭「南地楼」の娘だったものの火事で炎上。現在は「南地楼」復活の夢を抱きつつも東京の旅行会社で働いている。企画一筋に頑張ってきたが、上司に手柄を取られ、しかも異動を命じられる。「もう辞めてやる!」と息巻いていたもんじゃ屋で引き寄せられるように出会った静岡県の土肥温泉組合長の富士子(星由里子)。そこから土肥温泉の山水館の女将になり、土肥の復興に一役買うことになる。しかし、もともとの女将である原田正子(荻野目慶子)には企みがあり、加代への苛めが始まるのだった…。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、沢口靖子演じるヒロインが放つ、可憐さと表裏一体となった凄まじい「根性」にあります。逆境に抗い、老舗旅館を切り盛りする女性の細腕が、実は何よりも太い芯で伝統を支える姿は、観る者の胸を熱くさせます。荻野目慶子らが演じる強烈なライバルとの火花散る対峙も、ドラマの緊張感を極限まで高めています。
伊豆の情景の中に、人間の業と気高さが交錯する演出が秀逸です。細やかな所作に宿る「おもてなし」の精神を、映像ならではの色彩と構図で切り取ることで、単なる苦労話を超えた美しき闘争劇へと昇華させています。凛として立つ一人の女性の生き様は、現代を生きる我々にも力強いエールを送り続けています。
シーズンとエピソード