昭和史最大の未解決事件を起点に、運命に翻弄される若者たちの焦燥と覚悟を、息もつかせぬテンポで描き切った傑作です。主演の福士蒼汰が見せる剥き出しの表情と、芳根京子の透明感、そして遠藤憲一ら実力派が放つ圧倒的な威圧感が、作品全体に逃げ場のない緊張感を刻み込んでいます。
単なる謎解きに留まらず、血の繋がりという逃れられない宿命に立ち向かう骨太な人間ドラマが本作の本質です。軍艦島などのロケーションを駆使した重厚な映像演出は、時を超えて交錯する悲劇を鮮烈に浮き彫りにし、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。真実の果てに響く慟哭は、魂を震わせる一級のエンターテインメントと言えるでしょう。