あらすじ
クリスマスイブの午後、大混雑している東京の地下鉄で東京トランスポーテーションレールウェイ(TTR)の最新鋭試験車両クモE4-600(通称『クモ』)が何者かに乗っ取られ地下鉄網を暴走し始めた。警視庁は緊急対策会議を招集、第1級テロの可能性ありと見た捜査一課の室井慎次管理官は、緊急対応メンバーの招集を指示、その司令塔として日本初の犯罪交渉人(ネゴシエーター)、真下正義課長率いる刑事部交渉課準備室CICチームをTTR総合司令室へ急行するよう命じる。
作品考察・見どころ
本作品の最大の魅力は、地下鉄という巨大な迷宮を舞台に繰り広げられる、姿なき犯人との極限の心理戦にあります。緻密な考証に裏打ちされたガジェットのリアリティが、観客を物語の深部へと引き込みます。テクノロジーが支配する現代社会の脆さを浮き彫りにしつつ、最後には人間の知性と「対話」の力が鍵となるテーマ性が、観る者の胸を熱くさせます。
ユースケ・サンタマリアが見せる、軽妙さとプロフェッショナルな覚悟が同居した演技は圧巻です。さらに寺島進の無骨な存在感が作品に重みを与え、壮大な音楽と見事に共鳴しています。単なるサスペンスの枠を超え、組織の中で戦うプロたちの矜持を描き切った、日本映画屈指のエンターテインメントの真髄がここに凝縮されています。