あらすじ
舞扇に情炎をつらぬく女…大空に虚栄を夢みる乙女…花園に初恋の夢追う少女…女のしあわせを求めて、激しく燃える三つの青春!
作品考察・見どころ
増村保造監督が、若尾文子と山本富士子という大映が誇る二大至宝を競演させた本作は、単なる美の博覧会に留まらない、人間の欲望とプライドが火花を散らす鮮烈な人間ドラマです。画面を埋め尽くす圧倒的な色彩美の中で、美貌という「武器」を手に自らの運命を切り拓こうとする女性たちの意志が、剥き出しの情熱となって観る者の胸に迫ります。
特に注目すべきは、静謐な気品を湛える山本と、奔放な生命力を放つ若尾という、対照的な美の競演がもたらす緊張感です。洗練されたモダンな演出は、容姿という逃れられない宿命に翻弄されながらも、強烈な自意識を持って突き進む彼女たちの葛藤を鮮やかに浮かび上がらせます。ただ美しいだけでなく、毒を含んだ「個」の輝きが、今なお色褪せない普遍的な魅力を放ち続けています。