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仲代達矢という巨星が、隻眼隻腕の怪剣客・丹下左膳に魂を吹き込んだ本作は、凄絶な殺陣と情緒が交錯する逸品です。仲代の圧倒的な眼力と、不自由な体躯を感じさせないダイナミックな剣戟は、正統派時代劇の真髄を見せつけます。虚無感を漂わせながらも、時折覗かせる情愛や権力への反骨精神がキャラクターに深い奥行きを与え、観る者を惹きつけて離しません。 映像表現としては、乾いた空気感と情念が渦巻く美学が秀逸です。百万両を巡る騒動の中で浮き彫りになるのは、人間の業と滑稽さ、そして孤独な魂の救済という普遍的なテーマです。テレビ映画の枠を超えた重厚な演出と、松尾嘉代ら実力派が織り成す濃厚なドラマは、時代劇が持つ根源的な興奮を再認識させ、観る者の心に鮮烈な剣風を吹き込みます。
監督: 五社英雄
脚本: 田坂啓 / 五社英雄
音楽: 菅野光亮
制作会社: Eizo Kyoto Film Co. / Fuji Television Network