あらすじ
映画監督を夢見る青年・健司は、ある日、通い慣れた映画館のロマンス劇場で1人の女性と出会う。彼女は健司がずっと憧れていた映画のなかのお姫様・美雪だった。モノクロの映画の世界からカラフルな現実の世界に飛び出した美雪は、色のついた世界を体験していく。そして次第に惹かれあう2人。しかし、彼女には秘密があった。
作品考察・見どころ
銀幕の中から飛び出したモノクロの王女と、現実を生きる青年。本作の核となるのは、色のない世界と色彩溢れる世界の鮮烈な対比がもたらす、至高の映像美と切実な愛の物語です。触れ合えば消えてしまうという残酷な制約が、二人の心の距離をかえって密接にし、身体的な接触を超えた「魂の結びつき」の純粋さをこれ以上なく浮き彫りにします。
綾瀬はるかが体現する気高くも愛らしい王女の存在感と、坂口健太郎のひたむきな眼差しは、観る者の涙腺を激しく揺さぶります。忘れ去られていく古い映画への惜別と、形を変えても永遠に残り続ける想いの尊さを描いた本作は、映画という媒体そのものへのラブレターであり、誰かを無私に愛することの本質を問い直す至福の映像体験となるはずです。
映画化された原作や関連書籍を読んで、映像との違いや独自の世界観を楽しみましょう。