あらすじ
定年を間近に控える、冴えない初老のサラリーマン壱郎には、妻や子ども2人という家族がいるが、ある日突然、がんが理由の余命宣告を受け、虚しい気持ちに襲われる。そんな中、宇宙から落ちてきた物体の墜落事故に遭遇するが、それ以来、壱郎の肉体の一部は機械となり、他者の命を救えるようにもなる。一方、同じ事故に遭遇した高校生の皓も未知のパワーを手に入れるが、そんな壱郎と皓は新宿の街を舞台に、全面対決に臨んでいく。
作品考察・見どころ
木梨憲武と佐藤健という対極の配役が、本作に唯一無二の緊張感をもたらしています。枯れた哀愁を漂わせる木梨が、人知を超えた力を得てなお人間であり続けようと葛藤する姿は、現代社会における個の尊厳を鮮烈に描き出しています。一方で、虚無感を抱えた若者を冷徹に体現する佐藤の圧倒的な存在感も、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。
驚異的なVFXで描かれる新宿上空の空中戦は、映像表現の限界を塗り替える圧巻の仕上がりです。日常が非日常へと侵食される高揚感の中で、私たちは「強大な力を得た時、何を救い、何を壊すのか」という究極の問いを突きつけられます。肉体が機械へ変貌してもなお溢れ出す、剥き出しの命の鼓動に魂が震える一作です。
映画化された原作や関連書籍を読んで、映像との違いや独自の世界観を楽しみましょう。