あらすじ
親友の死体を目撃したという転校生の話を聞いて以来、由紀(本田翼)は人が死ぬ瞬間を見たいと思うようになる。高校2年生の夏休みに小児科病棟でボランティアを始めた彼女は、余命わずかな少年たちに近付き自らの願望をかなえようとする。一方、由紀の親友でかつていじめを受けた敦子(山本美月)は、人が亡くなる瞬間を見れば生きる気力を取り戻せると考え、老人ホームでボランティアを始めるが……。
作品考察・見どころ
生と死の境界線に佇む少女たちの、残酷なまでに純粋な衝動。三島有紀子監督が映し出す冷徹で美しい映像美は、内面に潜む「死への渇望」を生理的な官能さを持って描き出します。本田翼と山本美月が見せる、従来のイメージを覆す壊れやすくも鋭利な演技の化学反応は、観る者の魂を激しく揺さぶるでしょう。
湊かなえの原作が持つ緻密な心理描写を、本作は視覚的なメタファーで見事に昇華させています。文字による独白が、映像という媒体を通すことで湿り気を帯びた生々しい質感へ変貌を遂げる。新田真剣佑や稲垣吾郎が添える重厚な存在感も相まって、思春期特有の傲慢さと脆さが鮮烈に胸を突き刺す、毒を含んだ極上のミステリーです。
映画化された原作や関連書籍を読んで、映像との違いや独自の世界観を楽しみましょう。