本作の真髄は、ジャック・ブキャナンが体現する洗練された紳士の佇まいと、名脇役エドワード・エヴェレット・ホートンの絶妙な間が織りなすアンサンブルにあります。二人の掛け合いが生むリズム感には知性が宿り、単なる喜劇を超えた気品を作品に与えています。軽やかな身のこなしとエレガントなユーモアの融合こそが、最大の魅力です。
1930年代特有の華やかな空気感を見事に捉えた映像美も圧巻で、洒脱な舞台装置が物語を引き立てます。善悪の境界を飛び越える遊び心溢れるメッセージは、理屈抜きのエンターテインメントの豊かさを提示しています。銀幕が放つ純粋な高揚感に浸れる、まさに贅沢な逸品と言えるでしょう。