イギリス映画特有の洒脱なユーモアと、六十年代の華やかなムードが交錯する極上の喜劇です。名優リチャード・トッドが従来の硬派なイメージを覆し、軽妙でチャーミングな姿を披露している点が最大の見どころ。彼が放つ洗練された色香と、事態に翻弄される滑稽なギャップが、作品に心地よいリズムと深い人間味を与えています。
国際色豊かな女優陣の競演も鮮やかで、特にエルケ・ソマーらの瑞々しい存在感は圧巻です。本作は「鍵」という象徴的な小道具を通じ、自由な愛の形と他者と心を通わせる尊さを描き出します。洗練された演出の中に、人間関係の本質を問う鋭い視点が光る、大人のための珠玉のエンターテインメントです。