本作の真髄は、身体を奪還する旅を通じて「人間とは何か」を問う重厚なドラマにあります。妻夫木聡の静かな悲哀と柴咲コウの生命力溢れる躍動は、運命に抗い自らの尊厳を勝ち取ろうとする剥き出しの意志を体現し、観客の生存本能を激しく揺さぶります。
手塚治虫の原作からキャラクターの年齢を引き上げた大胆な改変は、実写ならではの功績です。孤独な二人が惹かれ合う叙情性と、殺陣に宿る凄絶なリアリズムが際立ち、漫画的表現を生身の泥臭い生命感へと昇華させています。肉体を取り戻すたびに増す「痛み」の描写は、映像だからこそ伝わる切実な重みを伴い、真の人間らしさとは何かを我々に鋭く問いかけます。