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役所広司と樹木希林という、日本映画界の至宝による演技の応酬が本作の核です。老いゆく母の記憶が混濁する中で、かつて孤独を抱えた息子が母の真実を紐解く過程は、あまりに美しく、残酷で、そして温かい。言葉を介さない視線の交わし合いだけで、数十年の歳月と親子の葛藤を表現しきる二人の凄みに、観客は息を呑むはずです。 光と影、そして静寂を操った映像美は、移ろう季節と共に変わりゆく人の心を見事に象徴しています。記憶を失うことが愛を再定義するための救いとして描かれる様は、鑑賞者の魂を深く揺さぶります。失われていく記憶の欠片から永遠に消えない愛を炙り出した本作は、家族という逃れられない絆に寄り添う、至高の人間ドラマです。
監督: Dan Zethraeus
脚本: Sissela Benn / Frans Wiklund