ヴィム・ヴェンダース財団(Wim Wenders Stiftung)は、現代映画界を代表する巨匠ヴィム・ヴェンダース監督の作品群を永続的に保護・管理し、次世代へ継承することを目的に設立された非営利団体です。2012年に監督の拠点であるドイツ・デュッセルドルフで発足して以来、かつて監督の自社制作会社「Road Movies」などが手掛けた膨大な作品群の権利を統合。4Kデジタル修復などの高度なアーカイブ事業を通じて、『ベルリン・天使の詩』や『まわり道』といった映画史に残る名作の輝きを現代に蘇らせてきました。
その活動は単なる過去作の管理に留まらず、ヴェンダース作品に通底する詩的な映像美や哲学的な探究心を未来へと繋ぐ、文化的なハブとしての役割を担っています。ロード・ムービーの形式を借りて人間の孤独や再生を描き続ける同氏の作家性を守り抜き、世界中の映画祭や上映イベントを支援するその姿勢は、映像芸術を文化遺産として尊ぶ欧州映画界の精神を象徴しています。映画を「共有されるべき財産」と位置づけ、その芸術的価値を磨き続ける同財団は、業界において極めて高い信頼と敬意を集める存在です。