あらすじ
交番相談員が見抜く、警察官たちの闇と罪。
日経新聞、産経新聞、讀賣新聞、共同通信ほか書評続々!
2025年度最注目の連作ミステリ短編集
警察を定年退職し、非常勤の「交番相談員」として働いている百目鬼巴(どうめき・ともえ)。
見た目は普通のおばさんで、性格も穏やかだが、彼女には妙な噂があった。
「彼女には県警本部の刑事部長でも頭があがらない」
「現役時代には、未解決事件の捜査にあたってほしい、と熱烈なお呼びが掛かっていた」
「なぜか科学捜査の知識も豊富に有している」
半信半疑で一緒に働いていた若手警察官は、
しかしすぐにその噂が真実であることを知る。
彼女は卓越した洞察力で、目の前で起こっていることの
真相・裏側を立ちどころに見抜いてしまうのだーー。
『教場』シリーズの著者であり、
当代きっての短編ミステリの名手による、
新「警察小説」シリーズ、開幕です!
・裏庭のある交番
・瞬刻の魔
・曲がった残効
・冬の刻印
・噛みついた沼
・土中の座標
ISBN: 9784163919676ASIN: 4163919678
作品考察・見どころ
長岡弘樹が描く新境地は、定年後の「おばさん」という一見柔和な殻に、冷徹なまでの真実への眼差しを秘めた百目鬼巴という造形に結実しています。これは単なる謎解きに留まらず、身内である警察官たちの内側に潜む「業」や「罪」を、静かに、かつ容赦なく抉り出す魂の断罪と救済の物語です。 卓越した洞察力が暴くのは、科学捜査の知見を超えた人間の深淵。何気ない日常の断片から組織の闇を鮮やかに浮かび上がらせる筆致は、まさに短編ミステリの名手たる真骨頂です。読者は巴の静かな言葉に導かれ、正義の裏側に横たわる切実な悲哀と凄絶なまでのカタルシスを同時に味わうことになるでしょう。



