甲斐谷忍/夏原武
被災者の心を踏みにじる悪意の数々…。「知識」の盾で、搾取に抗え…!!地震で地方都市に足止めされた加茂ゼミの面々は、過去の災害時のトラウマを抱える住民から警戒されてしまう…。信頼を得ようとする加茂達に出来る事とは…!? さらに復興を目指す住民達に悪徳修繕業者が法外な契約を乱発…! 加茂は住民達に「行動経済学」の神髄を説きある「取引」をする事になり──…!?
本作の真髄は、行動経済学という学問を単なる金儲けの道具ではなく、人間の業や悪意から身を守るための「盾」として再定義した点にあります。震災という極限状態を舞台に、被災者のトラウマを啜る捕食者たちの心理を鮮やかに解剖。甲斐谷忍の研ぎ澄まされたロジックと夏原武の冷徹な現実認識が高度に融合し、読む者の倫理観を激しく揺さぶります。 加茂教授が説くのは、無知がもたらす悲劇と、知性が生む希望です。搾取される側に敢えて非情な「取引」を持ちかける彼の立ち振る舞いは、冷徹さの裏に人間への深い洞察と情熱を秘めています。現代を生き抜くための実践的な知恵が凝縮された本作は、知の武装を求めるすべての読者へ贈られた、最高峰の知的エンターテインメントです。
甲斐谷 忍 は、日本の漫画家。男性。代表作に『ソムリエ』・『ONE OUTS』・『LIAR GAME』がある。