西尾維新が提示する本作の本質は、パズル以上に「言葉という名の暴力」による洗練された闘争劇にあります。第四巻の対抗戦は巨額の資産を巡る争いですが、実態は因縁という呪縛から解き放たれようとする少女たちの魂の叫び。暗号を介して剥き出しになる彼女たちの瑞々しい知性と狂気こそ、本作の真骨頂です。
夕方多夕が先陣を切る展開では、言語の多義性を武器にする著者の筆致が冴え渡ります。定義さえ戦況で塗り替えられるダイナミズムは、まさに活字文化が生んだ究極の知力格闘技。論理の飛躍と再構築を繰り返す知的興奮が、読者を深淵なる言語の迷宮へと情熱的に誘います。