このシリーズが提示するのは、数十年という単位で人生を俯瞰する、映像表現にしか成し得ない「時間の神話」です。七歳から始まった旅が六十三歳に至り、単なる記録を超え、階級や運命という潮流の中で個人がいかに老いを受け入れ、自己を形成したかという深遠な哲学が息づいています。
リン、トニー、ジャッキーらの表情に刻まれた皺は、各々が戦い抜いた日々の証です。虚飾を排したリアリズムは、誰もが直面する喪失や希望、日常の尊さを照らし出します。人生の重みをこれほど切実に突きつける作品は他にありません。観る者の魂を揺さぶり、自らの生を肯定する勇気を与えてくれる唯一無二の芸術品です。