この作品の真髄は、歴史の捉え方をめぐる滑稽さと残酷さを、極上の社会派コメディへと昇華させた点にあります。記念碑の撤去という小さな火種をきっかけに、植民地主義の残滓や文化のアイデンティティという重厚なテーマを、軽妙なユーモアで鋭く切り裂いていく演出が実に見事です。
特にエド・ヘルムズの愛すべき滑稽さと、ネイティブ・アメリカンの視点を体現するヤナ・シュミイディング、そしてマイケル・グレイアイズの圧倒的な存在感が素晴らしい。彼らのアンサンブルが、過去の清算という複雑な正義を、決して説教臭くならずに観る者の心に深く突き刺してくるのです。