竹脇無我という不世出のスターが放つ、瑞々しくもストイックな色香こそが本作の核です。泥にまみれても純粋さを失わない三四郎の姿は、単なる柔道家の成長譚を超え、魂の純化を描く一編の詩のような趣を湛えています。静寂と躍動が交錯する映像美は、観る者の心に武道の精神性を鮮烈に焼き付けます。
師弟の絆を通じて語られるのは、技の巧拙ではなく人間としていかに生きるかという命題です。高橋幸治の重厚な演技が作品に圧倒的な格調を与え、ストイズムの果てに辿り着く精神の平穏は、時代を超えて我々の胸を熱く焦がしてやみません。