あらすじ
バブル景気に沸いた1980年代の日本に、逆境をチャンスに変えた奴がいた。男の名は村西とおる。彼こそが、エロの概念を覆し、AV業界に革命を起こした伝説の風雲児。
作品考察・見どころ
山田孝之という希代の表現者が、虚実の狭間に潜む怪物を全身全霊で憑依させた、剥き出しのエネルギーの塊のような作品です。昭和末期の狂騒の中、既存の秩序をなぎ倒して突き進む者たちの執念は、単なるスキャンダラスな物語を超え、人間の根源的な「生」への渇望と、なりふり構わぬ創造への情熱を観る者の魂に突きつけてきます。
特筆すべきは、森田望智が体現したヒロインの凄絶なまでの覚悟です。社会が押し付ける「正しさ」を拒絶し、自らを解放していく彼女の姿は、観る者の価値観を激しく揺さぶります。欲望を全肯定することで、埋もれていた個人の尊厳を再定義しようとする本作は、泥臭くも鮮烈な、究極の人間賛歌としての輝きを放っています。