あらすじ
天下は温氏、藍氏、江氏、聶氏、金氏の五大世家によって治められていた。江氏の義子として育てられ、快活で何物にも縛られない自由奔放な魏無羨と、藍氏の第2公子で、無口で戒律を重んじ己にも厳しい藍忘機が出会う。そんな対照的な2人は、偶然にも藍氏の禁断の地へと足を踏み入れ、藍氏が代々守ってきた秘密を知ってしまう。正義のため力を尽くすことを誓った2人は、ともに事件を解決していくうちに徐々に絆を強めていくが、魏無羨は罪を被せられ、断崖から身を投げそのまま消息を絶ってしまう。それから16年後、呪術によってよみがえった魏無羨は、藍忘機と再会する。2人は協力しながら奇妙な事件の真相を追求していくと、それが16年前の忌まわしい過去につながることに気が付く。
作品考察・見どころ
本作は、耽美な映像美と魂を揺さぶる叙情性で仙侠ファンタジーの新機軸を打ち出した傑作です。最大の魅力は、静と動、相反する信念を体現した主演二人の圧倒的な演技力にあります。シャオ・ジャンの天真爛漫さと表裏一体の孤独、ワン・イーボーの静寂の中に秘めた激しい情熱。その対比が、世俗の理を超えた強固な絆を鮮烈に描き出しており、観る者の心に消えない火を灯します。
さらに本作が深い余韻を残すのは、正義とは何かという根源的な問いを突きつける重厚な人間ドラマゆえです。精緻な美術と伝統楽器の旋律が織りなす東洋的美学の中で、孤独な闘いを選ぶ者の気高さが克明に描かれています。それは単なる娯楽を超え、己の信念を貫くことの厳しさと尊さを伝える、極めて現代的な救いの物語と言えるでしょう。