この作品の本質は、シットコムの様式美に即興劇の緊張感を注入した独創的な構成にあります。観客の選択で物語が急変する仕掛けは、視聴者を物語の共犯者へと誘う魔法のようです。キャストが咄嗟の無茶振りに応じる際の、計算された演技では決して見ることのできない素の表情や機転こそが、本作最大の白眉と言えるでしょう。
ラモン・リードらの瑞々しい演技は、何が起きても「流れに身を任せる」という人生への肯定的なメッセージを放っています。不測の事態を笑いで乗り越える家族の姿は、完璧さよりも大切なのは今を楽しむ勇気であることを教えてくれます。ライブ感溢れる演出が既存のドラマの枠を超えた感動を呼び起こす、極上のエンターテインメントです。