本作の真髄は、氷のように閉ざされた孤独と、天真爛漫な無償の愛が衝突した際に生まれる、まばゆいほどの感情の火花にあります。バレエという研ぎ澄まされた芸術を背景に、絶望の淵に立つ人間が再び光を見出すまでの過酷な過程を、神々しいまでの映像美で描き出しています。
とりわけ主演のシン・ヘソンが見せる圧倒的な演技力は筆舌に尽くしがたい輝きを放っています。冷徹さと脆さが同居する彼女の瞳と、魂を削るような指先の表現は、言葉以上の説得力を持って観る者の心に深く刺さります。不完全な人間だからこそ愛し、愛される。その尊さを謳いあげる本作は、愛を信じられなくなったすべての人へ贈る、至高のファンタジー叙事詩と言えるでしょう。