本作の魅力は、狂気的な執着と悪趣味なユーモアが共存する、歪んだ造形美にあります。凄惨な題材を扱いながらも、全体を覆うのは寓話的で軽妙なタッチです。失われた部位が自意識を持ち暴走する身体的ホラーを、独創的な特殊効果で描き出し、観客の倫理観を心地よく揺さぶる演出は圧巻です。
名優オリヴァー・リードの怪演も、孤独な狂気を鮮烈に際立たせています。肉体さえも制御不能な他者として描く鋭い洞察は、現代にも通じる普遍的なメッセージを放っています。観る者の理性を麻痺させ、異形の快楽へと誘うカルト的な磁力こそが、本作を唯一無二の傑作たらしめているのです。