禁断の愛と倫理の境界線で揺れ動く感情を、これほど生々しく描き切った作品は稀有でしょう。恋愛劇を超え、人が人を想うことの暴力性と純粋さを、緻密な心理描写と官能的な色彩で浮き彫りにしています。理屈で制御できない情動が、一つ屋根の下という密室で静かに火花を散らす緊張感こそが、本作の真骨頂です。
内田真礼や日笠陽子の演技は、微かな吐息にまで孤独と渇望を宿し、観る者の胸を強く締め付けます。ままならない現実に抗い愛に手を伸ばす姿は、不条理な関係の中にある切実な真実を突きつけ、観る者の倫理観を激しく揺さぶり続けます。