イタリアのフェラーロ家の日常を綴る本作の真髄は、言葉にならない家族の呼吸を映像化した緻密な人間描写にあります。リチア・マリエッタら実力派が不器用な愛を模索する姿を魂を込めて演じており、その圧倒的な実在感が観る者の心を激しく揺さぶり、スクリーン越しに体温が伝わるような錯覚さえ抱かせます。
予測不能な人生を家族の絆で乗り越える力強さこそが、本作が放つ至高のメッセージです。衝突も喪失もすべてを包み込む圧倒的な包容力と、色彩豊かな演出。観終わる頃には大切な人を強く抱きしめたくなるような、温かくも鮮烈な勇気を与えてくれる珠玉の家族劇です。