老いという残酷な現実を、これほど気高く軽妙な笑いで包んだ傑作は他にありません。マイケル・ダグラスが見せる、かつての栄光と衰えの間で揺れる演技は圧巻。人生の黄昏時を迎えた者の悲哀と矜持を見事に体現しており、豪華キャストによる円熟のアンサンブルが、作品に類まれな説得力を与えています。
本作の本質は、喪失を抱えながら「いかに愛を持って人生を謳歌するか」という魂の模索にあります。毒気のある対話の裏に流れる慈愛、そして不変の友情を描く筆致は実に見事。絶望さえ笑い飛ばす知的な演出は、観る者の心に灯をともし、老いる恐怖を希望へ変える珠玉の人間ドラマです。