主人公・綾(水川あさみ)が23歳で上京してから40歳になるまで、東京だからこその価値観や事象に翻弄されながらも強く生きる女性の人生模様を、その時々に暮らす街を背景に恋に仕事に、悩みつつも成長していく過程を描く。
本作は、東京という巨大な欲望の坩堝で変容し続ける女性の価値観を、地名とリンクさせて残酷なまでに鮮やかに描き出しています。主演の水川あさみが、若さゆえの全能感から焦燥、そして諦念へと至る過程を繊細なグラデーションで演じきっており、観る者は彼女の瞳に自分自身の「満たされない飢え」を重ねずにはいられません。 東京カレンダーの連載を原作としながらも、映像化によって単なる「東京攻略ガイド」を超えた人生の寓話へと昇華されました。活字で語られた記号的なステータスが、映像では冷徹なまでにリアルな「格差の風景」として立ち上がり、何者かになりたいと願う全ての大人たちへ、幸福の正体を厳しくも優しく問いかけてきます。
監督・制作: タナダユキ
脚本: 黒沢久子