あらすじ
戦後3度目の政権交代が危ぶまれる、どん底の危機の中で総裁選に立候補した武藤泰山は、民政党のドン・城山和彦の力を借りて、ついに内閣総理大臣の座を手にする。
作品考察・見どころ
政治という重厚な題材を、魂の入れ替わりという劇薬で解きほぐす痛快さが本作の本質です。特に遠藤憲一が見せる、外見は厳格な総理ながら中身は気弱な若者というギャップの演技は圧巻で、硬化した政治の世界に人間味という風穴を開ける演出が見事です。脇を固める実力派たちの掛け合いも、一瞬たりとも目が離せない熱量に満ちています。
池井戸潤の原作が持つ社会派の骨格を活かしつつ、映像ならではのテンポ感と大胆なコメディ描写を上乗せした点が最大の強みです。活字では表現しきれない滑稽な仕草や表情の変化が、役者の肉体を通して視覚的なカタルシスへと昇華されています。政治への無関心を笑い飛ばし、その奥にある情熱を再燃させる、映像エンタメの真骨頂と言える傑作です。
ドラマ・アニメ化された映像作品と原作・関連本と読み比べて、オリジナルならではの違いや描かれなかった裏設定、より深い世界観を独自の視点から楽しみましょう。