あらすじ
ごく普通の生活を送る男子高校生・柏木空はある日、旅先のエジプトにいる自称"冒険家"の父から突如、ミイラを送りつけられる。「面白いミイラを見つけたからお前に預けることにした!」と書かれた父の手紙におののく空。だが、送られてきたて大きな棺から現れたのは、全長12cm!?なんと手のひらサイズのミイラだった・・・。小さいうえに、臆病で、泣き虫で、でも何ともいえない可愛さのミイラミーくんと名づけ面倒を見ることになる空。一つ屋根の下、一緒に暮らし始める空とミーくんの共同生活とは・・・・。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、異形の存在を「恐怖」ではなく「愛おしさ」の象徴へと鮮やかに転換させた点にあります。手のひらサイズのミイラが見せる、言葉を超えた健気な仕草や感情表現は、観る者の心のトゲを優しく溶かす究極の癒やしです。田村睦心ら実力派声優陣が吹き込む体温の宿った演技が、非日常的な共同生活に瑞々しいリアリティと多幸感を与えています。
他者との共生という普遍的なテーマを、無垢な生命への慈しみを通して描き出す演出も見事です。世話を焼き、心を通わせる日常の積み重ねが、孤独を埋める温もりへと変わっていく過程には、無償の愛の本質が凝縮されています。柔らかな色彩設計と相まって、鑑賞後には世界が少しだけ優しく見える、珠玉のヒーリング作品といえるでしょう。