本作の核心は、意志を持たない機械であるhIEが、人間側の感情や信頼をいかに利用・誘導するかというアナログハッキングの概念にあります。道具として割り切るべき存在に魂を見出してしまう人間の危うさと、それを逆手に取る圧倒的な美しさを備えたアンドロイドたちの対比が、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。
東山奈央ら実力派キャストが吹き込む声の演技は、記号的な愛らしさを超えた神々しさと、冷徹なまでの機能美を見事に同居させています。映像ならではの繊細な色彩設計が描く近未来は、私たちの現実の延長線上にある可能性を提示しており、モノとヒトの境界線が消失する瞬間の戦慄と高揚感を同時に味わえる、極めて知的なSF叙事詩といえるでしょう。