本作の圧倒的な魅力は、パルヴィズ・パラストゥイーが見せる変幻自在の演技力に集約されています。ならず者が聖職者の身なりをまとう滑稽な状況下で、外面的な宗教性と内面的な人間味が衝突し、火花を散らす演出は見事です。コメディの軽妙さを保ちつつ、社会の偽善を鋭く突く批評精神は、観る者の価値観を揺さぶるほどの力強さに満ちています。
また、神へ至る道は人の数だけ存在する、という深遠なメッセージをユーモアに乗せて届ける点も白眉です。形式に縛られる危うさを描きながらも、不完全な人間が他者との交流を通じて真の救いを見出していく過程は、極めて情熱的で感動的です。娯楽性と精神性が高次元で融合した、魂の解放を巡る真のヒューマンドラマと言えるでしょう。