本作が描くのは、無償の愛と献身という、普遍的でありながら極めて強烈なテーマです。主人公・相田マナの、自己犠牲をも厭わない圧倒的な利他的精神は、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。単なる勧善懲悪に留まらず、人間の内面に潜む「自分勝手な心」との対峙を真っ向から描き切る筆致は実に見事です。
生天目仁美や釘宮理恵ら実力派キャストが吹き込む魂は、キャラクターに鮮烈な実在感を与え、田中敦子や山路和弘といった重鎮が脇を固めることで、物語の重厚感はさらに増しています。他者を想うことがどれほど気高く、そして険しい道であるか。その本質を突きつける本作は、世代を超えて胸に響く珠玉の人間ドラマと言えるでしょう。