本作の真髄は、猛毒を宿す少女が他者との触れ合いを通じ、一人の人間として再生していく魂の軌跡にあります。霧煙るスチームパンクなロンドンの街並みは、彼女の孤独な心象風景と見事にシンクロ。早見沙織の繊細な演技が、絶望が希望へと変わる瞬間の微かな震えを鮮烈に体現し、観る者の胸を強く締め付けます。
各キャラクターが抱える過去の重みと、それらを包み込む光の演出は、アニメーション表現の極致と言えるでしょう。言葉以上に饒舌な視線の交わし合いや色彩の設計が、愛が呪いを上書きする救済のテーマを劇的に押し上げています。運命に抗う者たちの気高き情熱が、画面越しに熱く伝わってくる至高の人間ドラマです。