作品の真髄は、フランスの大地に根ざした一族の魂を、圧倒的なリアリズムで描き出した点にあります。モーリス・バリエら名優たちの演技は、時代に翻弄されつつ土地を守る人間の尊厳を重厚に映し出し、移ろう季節の美しさと労働の過酷さは、映像ならではの至高の詩情を湛えています。
クロード・ミシュレの原作が持つ重厚さを、本作は俳優の表情に刻まれる時の流れとして見事に昇華しました。活字の想像力を土の匂い漂う映像美で補完し、農村文化への鎮魂歌を奏でています。可視化された「命の連鎖」というテーマは、原作以上の切実さを持って観る者の心に深く突き刺さります。