本作が描くのは、甘美なチョコレートに隠された、身を切るような片想いのエゴイズムと残酷さです。石原さとみ演じるヒロインの、抗いがたい魔性の魅力と、彼女を追い続ける松本潤の狂気にも似た情熱が、画面越しに芳醇な香りを放ちます。煌びやかなショコラが象徴する「憧れ」と、泥臭いまでの執着が織りなす鮮烈なコントラストこそ、映像作品としての真骨頂と言えるでしょう。
単なる恋愛劇に留まらず、届かぬ想いを「創造のエネルギー」へと昇華させるクリエイティビティの物語としても秀逸です。登場人物たちが繰り広げる高度な恋愛の駆け引きは、時に滑稽で、時に痛切な共感を呼び起こします。計算し尽くされた演出とキャスト陣の圧倒的な熱演が、恋という名の毒をこの上なく美しい芸術へと変貌させています。