この作品の真髄は、アメリカの神話が崩壊した後の「残された者たち」が背負う凄絶な孤独と葛藤を、冷徹なまでに美しく描き出した点にあります。栄光の影で繰り返される悲劇を単なるスキャンダルとして消費せず、呪縛に近い一族の宿命に抗いながらも、公人としての仮面を守り抜こうとする個人の内面に深く切り込んでいます。
特筆すべきはケイティ・ホームズとマシュー・ペリーの圧倒的な体現力です。ホームズは沈黙の中に静かな怒りと気高さを滲ませ、ケネディという名の重圧に翻弄されるジャッキーの孤独を見事に昇華させました。また、ペリーが演じたテディの脆さと責任感の対比は、歴史の裏側にある血の通った人間ドラマとして、観る者の心を激しく揺さぶります。