あらすじ
妖精兵器と呼ばれる少女たちと生き残った準勇者との儚くそして切ない物語。
地上を正体不明の怪物である〈獣〉たちに蹂躙され、人間を含む多くの種族が滅ぼされた後の世界。 かろうじて生き残った種族は地上を離れ、浮遊大陸群レグル・エレと呼ばれる空飛ぶ群島の上に暮らしていた。 500年後の空の上で目覚めたヴィレム・クメシュは、守りたかったものを守れず、それどころか自分一人だけが生き残ってしまった絶望から世捨て人のような生活を送っていたが、 思いもよらず始めた兵器管理の仕事の中で、ある少女たちと出会う。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、滅びへと向かう世界の静謐さと、そこに灯る日常の眩さとの残酷なまでの対比にあります。運命を受け入れ、戦う道具として生を終える少女たちの儚い輝きが、情緒豊かな音楽と色彩によって、美しくも痛切に描き出されています。田所あずさが見せる繊細な感情の機微は、観る者の魂を揺さぶり、失われゆく自我と愛の間で揺れる葛藤を鮮烈に表現しています。
救いとは何か。この作品は、逃れられぬ終焉を前に、今、この瞬間を肯定しようとする魂の叫びを問いかけます。新井良平の静謐な演技も相まって、物語は単なる悲劇を超えた崇高な愛の形を提示します。劇伴が感情を増幅させる瞬間のエモーションは、映像体験として他に類を見ないほど深い余韻を観客の心に刻み続けます。