フィンランドが誇る伝説的コメディ集団の才気が爆発した本作は、法廷ドラマの枠組みを借りた至高のアヴァンギャルド作品です。ヘイッキ・シルヴェンノイネンら名優たちが放つ、計算し尽くされたナンセンスな掛け合いは圧巻の一言。日常の論理が崩壊していく様を、圧倒的な演技力によって説得力ある笑いへと昇華させています。
あえて大真面目なトーンを貫く演出が、社会的な権威に対する鋭い批評精神を際立たせます。シリアスな空気とバカバカしさが同居する独特の緊張感こそが本作の真骨頂。理屈抜きに人間の滑稽さを肯定するそのエネルギーは、観る者の心を解放し、予測不能な笑いの迷宮へと誘ってくれるでしょう。