フランス・ホラーの異端児としての地位を確立した本作の最大の魅力は、主演のエマニュエル・エスクルが体現する、狂気と母性が入り混じった圧倒的な憑依型演技にあります。フィリップ・ナオンら実力派が醸し出す重厚なリアリズムが、超自然的な恐怖を単なる幻想に留めず、逃げ場のない生々しい絶望へと昇華させています。
演出面では、血の繋がりという逃れられない宿命をテーマに、生命の根源的な生臭さを抉り出す映像美が圧巻です。単なるジャンル映画の枠を超え、魂の叫びを映像化したかのような苛烈なメッセージ性は、観る者の倫理観を激しく揺さぶり、心に深い爪痕を残す芸術的な衝撃に満ちています。