あらすじ
豪華女優陣が本気でぶつかり合う。誰も見たことがない衝撃の「不倫コメディ」がついに始まる。ドラマプロデューサーの風(船越英一郎)と不倫している久未(成海璃子)は、ある日、見知らぬ番号からの着信を受け、呼び出される。そこに現れた舞台女優・佳代(水野美紀)から知らされる衝撃の事実…驚く暇もなく、偶然居合わせた風の部下でドラマアシスタントプロデューサーの美羽(佐藤仁美)と佳代の壮絶なバトルに巻き込まれる…さらに風が新ドラマにキャスティングする若手女優・志乃(トリンドル玲奈)にも秘密が…。
作品考察・見どころ
フランス映画界の至宝、フィリップ・ノワレとミシェル・ブーケ。この二大巨頭が火花を散らす演技の応酬こそが、本作最大の白眉です。老いという抗えない現実を前にした男たちの滑稽さと悲哀を、重厚かつ軽妙な筆致で描き出す演出は見事。人生の黄昏時に漂う虚無感を、洗練された会話劇へと昇華させたその手腕には、芸術的な深みが宿っています。
死の影が忍び寄る中でなお、剥き出しの欲望や生への執着を肯定する本作のメッセージは、観る者の倫理観を揺さぶります。肉体は衰えても魂は枯れない。そんな人間の愛おしいまでの愚かさを象徴的に浮き彫りにする映像世界は、哲学的でありながら極上のユーモアに満ちており、大人のための至高の人間ドラマとして、深い余韻を残してくれます。