本作の真髄は、オタクとしての業と乙女の純情が交錯する爆発的なコメディセンスにあります。ヒロインの葛藤を過剰なまでの熱量で体現した小林ゆう氏の怪演は圧巻。映像ならではの緩急ある演出により、単なる逆ハーレムものに留まらない、自己愛と「推し」を愛でる心の尊さを問う独自の境地に達しています。
原作漫画の美麗なタッチを損なうことなく、本作は豪華声優陣の声と躍動感によってキャラクターに鮮烈な生命力を吹き込みました。止まらないパッションが画面から溢れ出し、好きなものを貫くことの肯定感を、これほど楽しく情熱的に描き出した表現は白眉と言えるでしょう。鑑賞後、誰もが自分の「好き」という感情を誇りたくなるはずです。