あらすじ
幼いころから柔道に打ち込んできた主人公・黒沢心。オリンピック日本代表の呼び声も高かったが、怪我がもとで選手生命を絶たれたため柔道から退き、就職を決意した。大手出版社・興都館の就職試験を受けた志望動機は、子どもの頃に柔道を扱った漫画を胸を熱くして幾度も読み返し、それがきっかけで柔道を始め、情熱を傾ける青春を送れたことが何より大きい。かつて自分がそうであったように、読者が“何か”を得るような「漫画」を作りたいと熱意を語り、採用される。入社後、週刊コミック誌「バイブス」編集部に配属され、編集者として歩き出す。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、漫画が読者に届くまでの泥臭くも尊い伴走者たちの熱量を鮮やかに描いた点にあります。主演の黒木華が放つ太陽のような活力と、脇を固めるオダギリジョーらのプロの凄みが、創作という孤独な戦いに光を灯します。働くことの誇りと他者への敬意が、観る者の心に深く突き刺さる傑作です。
編集部という空間を希望に満ちた色彩と躍動感で描き出した演出は白眉。漫画家、編集者、書店員。それぞれの情熱が共鳴し「重版」という奇跡を追う群像劇は、あらゆる表現者の魂を鼓舞します。一コマに懸ける想いを映像の緩急で見事に体現しており、鑑賞後には明日を生きる力が必ずや湧き上がるはずです。