島本須美が演じるドロシーの透明感あふれる声が、冒険の瑞々しさを際立たせています。安原義人や野沢雅子ら伝説的声優陣が吹き込む生命感は、単なる子供向けアニメの枠を超え、観る者の魂に直接語りかけてくる力強さがあります。自己に欠けていると信じる「心・知恵・勇気」を巡る内省的な旅路は、現代を生きる大人にとっても深い共感を呼び起こす普遍的なテーマです。
原作小説の膨大な物語群を長編連作として再構成した本作は、映像だからこそ成し得た緻密な世界観の構築が圧巻です。文字では捉えきれない色彩豊かな魔法の国や異形の者たちの躍動感、そして原作の根底にある「自分の中に既に答えはある」という哲学を、全52話という贅沢な時間を使って丁寧に描き切っています。これぞアニメーションによる「オズ」の決定版であり、最高傑作です。