あらすじ
「トータル・イクリプス」の舞台となった2001年から遡ること18年。 1983年の東ドイツでは、東方から押し寄せるBETA群に対して、苛烈な戦いが繰り広げられていた。 絶望的な戦況と国家権力の重圧によって他人を信じられなくなっていた東ドイツの衛士、テオドールは偶然にも西ドイツ軍の衛士である少女を救出する。 その少女、カティアはある純真な想いを胸に東ドイツヘ亡命、そしてテオドールの所属する第666戦術機中隊シュヴァルツェスマーケンヘの編入を希望する。 カティアとの出会い、そして、中隊指揮官アイリスディーナの思惑が絡み合い、テオドールの運命が大きく動き出す。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、極限状態における人間の醜さと気高さを描いた濃厚な人間ドラマにあります。異形なる敵との死闘以上に恐ろしいのは、東ドイツという閉鎖的な社会で繰り広げられる疑心暗鬼と政治的策謀です。絶望の淵で「信頼」を切り捨てることでしか生き残れない、冷徹な世界観が視聴者の胸を激しく締め付けます。
原作小説の緻密な政治的背景を、映像化ではダイナミックな戦術機アクションへと見事に昇華させました。鈴村健一や南條愛乃らによる魂を削るような熱演が、キャラクターの葛藤に圧倒的な実在感を与えています。メディアを越えることで加速した凄惨な描写と、光を失った瞳に宿る微かな希望の対比こそ、本作が放つ唯一無二の魅力です。